アメリカで増加する中国人留学生、その理由は大気汚染と政治不安?

日本からシアトルに帰ってきた後、諸事情でしばらくの間ネットが使えない環境にいたため更新が遅れました。先日北京での大気汚染に関するニュースを見て、以前中国人の友人に言われたことを何となく思い出したので、今回はそれについて書いてみたいと思います。

まず、アメリカには中国人のコミュニティが至る所にあり、ここシアトルにも中華街が存在します。中華街はもちろんですが、どの大学に行っても多くの中国人を見かけることができます。アメリカの留学生全体のうち中国人が占める割合は非常に高く、Institute of International Education(IIE:国際教育協会)の報告書によると、97万人を超えるアメリカの留学生のうち31%を中国人が占めています。

別サイトリンク:IIEによる留学生の国別レポート(英語)

 

と、前置きはここまでにしますね。その中国人の友人とアメリカに来た理由について話したのは、その友人とご飯を食べに行ったことがきっかけでした。ふとした話題から誕生日の話になり、「Lin(仮名)の誕生日は12月だったよね?」と聞いたら「違うよ」と言われてしまいました。

僕は12月が誕生日と書いてあったのを見た記憶があったので腑に落ちず、某SNSを確認してみたところ、そこにはちゃんと12月が誕生日と書いてありました。なんとも意味が分からなかったので、「某SNSのプロフィールには12月って書いてあるよ?」と直接彼女に見せてみたところ、「その誕生日は嘘なんだよねー」と返されて唖然としてしまいました。なんでも中国ではお金さえ積めばパスポートを正式に偽造できるようです。いやはや、なんとも凄い国ですね(⌒-⌒; )

でもそこで、なんで偽造してまでアメリカに留学しに来たのか不思議に思いました。だって彼女、父親が中国の大会社の社長らしく、留学生なのにBMWを乗り回してるレベルのお金持ちだったからです。それだけの財力があればわざわざ偽造とかセコイ手を使わなくとも留学しにアメリカに渡って来れますよね。だから率直に「なんで偽造したの?」と質問してみました。そこで返ってきた答えは「父親に早くアメリカに行き、そこで一生を過ごしなさいって言われたからだよ。」でした。その答えはなんともシンプルで、でも実際に聞くと驚くものでした。

 

 

ここでようやく本題に入ります。彼女から聞いた話を要約すると、北京出身の彼女は父親が大気汚染による健康被害や政情不安定な中国を危惧し、早く中国から出てアメリカに在住をしろと送りだされたようなのです。だからこそ、偽造パスポートを作ってまで年齢を偽り、早めにアメリカに留学をしにきたようです。大気汚染なんかについては日本人はPM2.5の件などでよくご存知だとは思いますが、実際に現地で過ごしていた人の話を聞くと空が見えない日が続くなど驚愕するものがあります。

また、政治と経済が密接に関わっている中国では、どんな大会社であっても中国共産党の方針次第で大きく揺れ動いてしまいます。それが顕著に出たのが上海株の大暴落事件で、あの時中国共産党の指令で多くの株主が株の売却を禁止され、また不当に株価暴落を招いたとして一部の人たちが処罰されました。このような環境であれば不安を抱え、海外で一生を過ごすことを考えるのも無理はありませんよね。

もうしばらくの間、その友人とは連絡を取っていません。ただ、中国ではこういったことが現実に起こっていて、被害を恐れて逃げてきた人が身近にいることにびっくりしました。彼女の父親がしたこと(偽造など)が正しいことだとは思いません。でも実際、アメリカと中国の関係悪化もあり、年々アメリカへの渡航許可を得るのは難しくなっているようです。

僕の中国人のハウスメイトの母親がシアトルを訪ねて来た時も渡航許可を得るのにかなり苦労したらしく、次アメリカに来れるのはいつになるか分からないと言っていました。そういった意味では、早くアメリカに来させたかったという父親の考えは正しかったのかもしれませんね。アメリカにとってはいい迷惑ですが、子を思う親の気持ちとしては至極当然のことなのだと思います。そして彼女の父親だけではなく、同じような考えから子どもをアメリカに送り出している中国人の親もきっと少なくはないのでしょうね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です